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タイトル: The Vomeronasal Organ Mediates Interspecies Defensive Behaviors through Detection of Protein Pheromone Homologs
著者: Fabio Papes, Darren W. Logan, Lisa Stowers
概要:
Potential predators emit uncharacterized chemosignals that warn receiving species of danger. Neurons that sense these stimuli remain unknown. Here we show that detection and processing of fear-evoking odors emitted from cat, rat, and snake require the function of sensory neurons in the vomeronasal organ. To investigate the molecular nature of the sensory cues emitted by predators, we isolated the salient ligands from two species using a combination of innate behavioral assays in naive receiving animals, calcium imaging, and c-Fos induction. Surprisingly, the defensive behavior-promoting activity released by other animals is encoded by species-specific ligands belonging to the major urinary protein (Mup) family, homologs of aggression-promoting mouse pheromones. We show that recombinant Mup proteins are sufficient to activate sensory neurons and initiate defensive behavior similarly to native odors. This co-option of existing sensory mechanisms provides a molecular solution to the difficult problem of evolving a variety of species-specific molecular detectors.
引用元はこちら
マウス がなぜネコを怖がるのか、みなさんは知っていますか?
宿題を忘れて先 生に怒られた時、遊んでいて階段から落ちそうになった時、その恐怖や驚きを記憶することで学習をし、ニ度と同じことにならないように行動しますよね。
ところが、マウ スがネコなどの捕食者に対し恐怖行動を起こすのは、学習によってではなく、生まれつき持つ能力であることが分かっています。「ネコに襲われる」という経験 から学ぶのではなく、生まれた時から「ネコを見たら逃げる」ことができるというのです。
しかし、いったいどんな物質が、そしてどのようにして恐怖行動を引き起こすのか、これまでほとんど分かっていませんでした。
Papesさん らはまず、ネコやヘビなどの捕食者から抽出した混合物をマウスに嗅がせ、マウスの逃げるような行動(恐怖行動)を観察しました。そして、混合物から単離し たMup (Major urinary protein; 尿に多く含まれるタンパク質という意)というタンパク質が、恐怖行動を引き起こしていることを突き止めました。
さらに、マウス の鼻の奥にある、フェロモンなどを感知する鋤鼻器(じょびき)の神経細胞が、このMupタンパク質を認識することも明らかにしました。マウスは、生まれた 時から捕食者の出すMupタンパク質を鋤鼻器で感知して、すぐさま逃げ出すことができるようになっているのです。

『Cell 』 HPより転載
青球はネコの Mupタンパク質を示しており、マウスがそれを鋤鼻器で感知している図
ところでこのMupタンパク質、実は、ネコやヘビだけでなくマウス自身も持っているんです。
Mupタンパク 質はフェロモンの一種で、面白いことに、マウスのMupタンパク質を他のマウスに嗅がせると、恐怖行動ではなく攻撃行動を引き起こすのです。
ネコのMupタ ンパク質とマウスのMupタンパク質はアミノ酸配列や構造はとても良く似ているのですが、この小さな違いをマウスの神経細胞は識別して、全く異なる行動を 引き起こすということがわかってきました。同じフェロモンでも、マウス同士とマウスと捕食者とでは、違う役割を果たしていることになるのでしょう。
まだまだわからないことはたくさんありますが、どうやらフェロモンの感知とは、同性を誘因したり異性を攻撃したりするだけでなく、危険を回避するなどの様 々な情動を引き起こす大切な役割があるようですね。
大事なんです ね、フェロモン♪
さて、世界中の 科学雑誌の概要は、なんと無料で読むことができます。今回紹介した論文も、ぜひインターネットで検索してみてくださいね。(本文全体を読むには、有料であ る事が多いです)
雑誌Cellの HPはこちら
『Cell 』HPより転載