株式会社リバネス運営ウェブサイトメディア開発事業部(担当:もう)|リバネスコーポレートサイト
「ヨーグルトが健康によい」というのはみなさん聞いたことがあるでしょう。生きたまま菌が届く、あるいは乳酸が腸内の酸性度を調整し悪玉菌と善玉菌の割合を改善するなど、いくつか健康効果の秘訣がいわれています。ところが、最近になって新たな有効成分が相次いで見つかったのです。
古くて新しい発酵乳製品
ヨーグルトの源流にあたる食べ物は、ブルガリアをはじめ世界に古くから存在したものの、食べやすく改良されて世界に流通し始めたのは、意外とつい最近のことです。
今でこそ、コンビニエンスストアからスーパーマーケット、あるいは自宅の冷蔵庫からレストランのデザートまで、ヨーグルトはおなじみの存在ですが、一般に普及したのは、日本国内でも戦後だいぶ経ったあとのことのようです。
そんな古くて新しい食べ物であるヨーグルトは、健康食品のひとつとして注目され、日本国内でも各社のヨーグルト製品が厚生労働省の特定保健用食品として認可されています。
健康効果の秘訣はどこに!?
ヨーグルトは、腸の調子を整えることで健康な生活を助けるとされています。
実際に、ヨーグルトを食べると腸の細胞がはりのある元気な状態になることが知られています。
そんなヨーグルトの有効成分に関する報告が、立て続けに出たのは2011年夏のこと。
ひとつめの報告は、ヒトの培養細胞を用いて、細胞を活性酸素などのストレスから保護する機能を持った成分として、ヨーグルト菌の培養液からポリリン酸を単離したというものです。
実際に、ポリリン酸のみをマウスに与えたところ、腸の細胞どうしが密着して健康な状態に保たれました。
もうひとつの報告は、ヨーグルト菌を与えるとマウスで増えるポリアミンについて、数万から数十万の遺伝子発現すべてを一度に調べることができるDNAマイクロアレイという方法を使い、マウスの遺伝子発現パターンから有効成分を確認したというものです。
腸内細菌の比率が変化し、マウスの体内でポリアミンが増えると、腸がはりのある健康な状態に保たれました。
ひとつじゃなかった有効成分
ポリリン酸もポリアミンも健康成分と聞いたとき、私は「えっ!ひとつじゃないの?」と思いました。
有効成分と聞くと、サプリメントのラベルのように、わかりやすくバンッとひとつだけあるかのようにイメージしていたためです。
しかし、漢方薬のように、複数の成分が混ぜ合わさっているからこそ、成分どうしで相乗効果して効き目が増す例もあります。
そう考えると、ヨーグルトの効果はヨーグルトによるもので、確かにポリリン酸やポリアミンはなければならない成分ですが、それだけですべてというわけではないのかもしれません。
紹介した2つの研究ですが、独立してそれぞれ実験し統計処理しているはずにもかかわらず、「マウスのエサにヨーグルト菌を混ぜて与えると寿命が延びる」という結果が出ています。
どんな因果関係が間にあっても、これはれっきとした実験結果です。
有効成分が何か考えるのも確かに大切ですが、マウスを使った実験結果のように、ヨーグルトを食べれば私たちも健康に長生きできるのかもしれません。
(文・吉田 亮祐)
<参考文献>
1) Shuichi Segawa et al. “Probiotic-Derived Polyphosphate Enhances the Epithelial Barrier Function and Maintains Intestinal Homeostasis through Integrin–p38 MAPK Pathway” PLoS ONE 2011 DOI: 10.1371/journal.pone.0023278
2) Mitsuharu Matsumoto et al. “Longevity in Mice Is Promoted by Probiotic-Induced Suppression of Colonic Senescence Dependent on Upregulation of Gut Bacterial Polyamine Production” PLoS ONE 2011 DOI: 10.1371/journal.pone.0023652