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第四弾、肺移植の現場から、肺移植の課題を探る!
拒絶反応と戦う肺移植の医療現場から
―臓器移植の現状と問題―
1997年に臓器移植法が施行されてから、脳死ドナーの臓器提供による移植が可能となった。あれから10年、医療現場はどんな問題を抱え、奮闘しているのだろうか。生体肺移植数が日本1位である岡山大学での取り組みを例に、日本の臓器移植の現状をさぐってみた。
11月22日から3日間、仙台市で第43回日本移植学会総会が開かれた。そのなかで岡山大学大学院医薬学総合研究所腫瘍・胸部外科の佐野由文氏は、肺移植後の拒絶反応の診断法について発表した。
岡山大ではこれまで11例の脳死肺移植と48例の生体肺移植を実施した。移植された臓器は患者自身のものではないため、体内の免疫機構が働き、それを異物と認識して身体から排除しようとする。肺は特にこの拒絶反応が起こりやすい臓器だ。肺移植では、移植後早期から細心の注意が必要となる。
岡山大学が独自に実施する診断法では、移植した肺の組織の一部を採取して調べる「生検」は行わない。生検をすれば、拒絶反応と肺炎や肺水腫との区別が容易になり、より正確な診断を出せる。だが、生体肺移植では、脳死移植より移植肺のサイズが小さくなる。生検をすると大切な移植肺をどうしても傷つけてしまう。
そこで佐野教授らは、咳嗽(せき)、発熱などの症状や白血球数、胸部レントゲン撮影などのデータを使い、経験則にもとづいた臨床診断をしている。また新しい試みとして「フローサイトクロスマッチ」と呼ばれる手法に注目している。血液を採取し、患者側とドナー(臓器提供)側で拒絶反応がどのように起こるかをチェックし、診断の判断材料とするものだ。 拒絶反応の検査法は着実に改善されているが、問題は、生体移植に頼る日本の現状だ。佐野教授は「世界的には生体肺移植よりも脳死肺移植の方が多く、日本で逆転現象が起きている。日本の脳死ドナーの不足を意味している」と指摘する。
生体肺移植では、健康な人が肺の一部を提供をする。一度切除した肺は元通りにはならず、生涯にわたってドナーの肺活量は低下したままとなる。そもそも健康な人にメスを入れること自体、生命倫理の4原則の一つとされる「無害」に反する。しかし日本では脳死ドナーが極端に少なく、どうしても血縁者が提供する生体肺移植が多くなる。
臓器移植法が施行されて10年。脳死ドナーが増加しない理由に医療体制や教育制度などが挙げられるが、私たち国民の意識や関心の低さにも起因する。現場の医療従事者に任せきりではなく、個人として国民として臓器移植をどう考えるか、各々の意思表示を明確にする必要があるだろう。
「肺は特に拒絶反応が起きやすい臓器だ」とあるが、
これは人間のもつ体を護る仕組み「免疫」に深く関わっている。
そんな免疫の仕組みについて、もっと知りたいなら、、、、リバコミ!