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ニュースソース:asahi.com「細胞内小器官、増殖を制御 千葉大など「定説」覆す発見」
『パラサイト・イヴ』を知っているだろうか。
ミトコンドリア遺伝子の反乱を描いたSFホラー作品だ。
著者が、大学院博士課程(東北大学薬学部)に在籍する研究者だったことでも話題になった。
『パラサイト・イヴ』は、ミトコンドリアの共生起源説にもとづいている。
共生起源説とは、葉緑体やミトコンドリアといった細胞内の小器官は、進化の過程で細胞に取り込まれた微生物の名残だというもの。物語は、もしもそれが反乱を起こしたならば、という仮定の内容で話題を呼び、映画やゲーム化も行なわれた。
しかし、千葉大や東京大などによる研究で、ミトコンドリアが本当に細胞分裂に細胞核に信号を送り、DNAの複製を促していることがわかった。
研究グループの千葉大学・田中寛教授によると、使ったのはシゾンという原始的な単細胞藻類。
シゾンの増殖過程では、まず小器官のDNAが複 製され、その後、細胞核のDNA複製が行われていた。
そして、小器官のDNA複製を阻害する薬剤を与えると、細胞核のDNAも増えなかったという。
また、小器官のDNA複製の際にできるテトラピロール類と呼ばれる物質を与えると、細胞核でのDNA複製が進み始めた。
つまり、 ミトコンドリアなどは、このテトラピロール類の物質を通してDNA複製の信号を送り、細胞増殖を制御していたことになる。
まるで寄生体(パラサイト)のようにも見えることから、この信号は「パラサイトシグナル」と名付けられた。
さらに、タバコの細胞を使った実験も行い、この信号が種子植物でも同様に働いていることがわかったという。
生物学の研究者なら誰もが知っているであろう「共生起源説」。
今回は、その中の「細胞小器官ゲノムと核ゲノムの増殖は独立に起こる」という通説を揺るがしたおもしろい発見だといえるのではないだろうか。
ところで。
支配しているつもりが、支配されている。
なんだか、人間社会のいろいろなところでも見られそうな。。。
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<掲載論文名および著者名>
ʻTetrapyrrole signal as a cell cycle coordinator from organelle to nuclear DNA
replication in plant cellsʼ
(植物の細胞周期におけるオルガネラDNA複製と核DNA複製のタイミングはテトラピロ
ールシグナルにより調整されている)
Proceedings of National Academy of Science, USA
Online Early Edition (http://www.pnas.org/pabbyrecent.shtml)
Yuki Kobayashi, Yu Kanesaki, Ayumi Tanaka, Haruko Kuroiwa, Tsuneyoshi Kuroiwa,
and Kan Tanaka