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最近、敷きっぱなしだった赤砂を黒い小石に変え、水草も新しく植え替えた水槽のなかで、こんぶ(ウーパールーパー・生後1年1ヵ月)が元気に動き回っている。
ウーパールーパーの健康状態は、主に鰓(えら)の色と大きさで判断する。鰓は頭の両側から突き出たふさふさのこと。効率よく酸素を確保するために、このような外付けの構造(外鰓)をとっている。赤く見えるのは血管の集まり。ウーパールーパーは通常鰓呼吸をするが、水中の溶存酸素が少なくなると水面まで上がって肺呼吸をする。つまり、ピンと張っていて鮮やかな赤色をしている鰓は、水中に充分な溶存酸素があることを示している。
ウーパールーパーを飼う醍醐味は、なんといってもエサの時間だ。いまあげているのは、ひかりクレストキャットという低棲肉食魚用の沈下性飼料。タブレット型のエサをピンセットでつまんで水中にいれると、「ん?」とこっちに顔を向けてくる。そこで、頭の真上にエサを落とすと、普段の動きからは想像できないスピードで捕獲するのだ。
それだけじゃない。直接ピンセットを口元に近づけてもちゃんと食べてくれるのだ。ポイントは、飲み込むタイミングとお腹の空き具合を見極めること。失敗すると、水槽底にエサが落ちて水が汚れやすくなる。ちなみに最高記録は連続4個である。
日本でも食用化されるかもしれないこのウーパールーパー、メキシコではトマトやチリソースで味つけし、トルティーヤ(メキシコ風のパン)やカボチャの花で包んで食べるらしい。味はウナギに似ているという。そんなバカな。
緑色のマツモが映える直径15cmの円形水槽に、赤い鰓(えら)をぴんと開かせ、水底でじっとしているこの灰色の生き物。ウーパールーパーという両生類だ。和名はメキシコサラマンダーと、なんともかっこいい名前。メキシコは原産地名。サラマンダーは英語で、サンショウウオを指すという。
ところで、両生類といえば、幼生から成体への「変態」が有名だが、ウーパールーパーは幼生(カエルで言うとおたまじゃくしの状態)のまま成熟する、珍しい両生類なのだ。一般的に、「変態」は発生や成長に関わる甲状腺ホルモンや副腎からのコルチコイド分泌によって促進される。しかし原産地であるメキシコ・ソチミルコ湖などには、甲状腺ホルモンを作るために必要な養分(ヨードなど)があまり含まれていない。そのため、ウーパールーパーは幼生のままでも成熟できるように進化してきたと考えられている。ちなみに、まれに成体になるものもいるが、鰓は消えてしまうためイモリによく似た外見になるらしい。もっと詳しく知りたいひとは前橋工科大学大学院で研究する阿部泰宜氏のサイトを訪れてみよう。
1980年代にアルビノが発見され、マスコミ等に取り上げられたことで一躍有名になったウーパールーパーだが、つい最近こんなニュースが流れた。水生生物などを養殖する日本生物教材研究センターが、ペットとしての需要が激減していることから、ウーパールーパーの食用への販売転用を始めたというのだ。そのうち日本の食卓にも並ぶのだろうか。飼い主としては複雑な気持ちである。
(写真は生後2ヶ月のウーパールーパー。名前は「こんぶ」)